eZ International Winter Conferences 参加報告
2009年1月29日、30日の二日間、スペインのバルセロナにて、eZ International Winter Conferences(eZ International Partner Day & eZ Developers Day)が開催されました。
毎年年初に催される「eZ International Partner Day」は、弊社が取り扱っているWebCMS(以下WCMS)eZ Publishの開発元であるeZ Systems社(以下、eZ社)のパートナーが一堂に会し、eZ社の活動報告や今後の展望について発表・議論がなされます。
今年はそれに加え、技術トピックなどをセミナー形式で共有する開発者向けのイベント「eZ Developers Day」も同時に行われました。
弊社もeZ publishのゴールドパートナーの一員として昨年から参加しており、今年も参加させていただきました。
初日の「eZ Developer Day」では、eZ社が開発・提供するPHPフレームワーク「eZ Components」の紹介や、eZ Publishの技術的トピック、2日目の「eZ International Partner Day」では、来年で創設10年目となるeZ Systems社の今後の経営ビジョンや、eZ Publishのロードマップについて発表・議論がされました。
今回は、様々なトピックの中で私が注目した事について紹介したいと思います。
eZ components
eZ ComponentsはeZ Systems社が開発・提供するPHPのライブラリ群です。PHPの開発メンバーであるDerick Rethansが開発リーダーを務めるこのライブラリは、日本での知名度はまだまだ低いですが、海外では高く評価されています。PHPアプリケーション開発の効率化はもちろん、現在鋭意開発中のeZ publishの次世代バージョンに組み込まれることで、eZ Publishの開発効率、性能の向上に寄与していく予定です。
この動向から、ミツエーリンクスはeZ publishをデリバリーする第一人者として、eZ Componentsのスキル向上を重要課題と認識し、早急にデベロッパーの教育研修などの必要性を感じています。
eZ publishの今後
我々パートナーが最も関心をもつトピック、「eZ publishの次バージョンの開発状況」について、両イベントで活発に議論されました。
eZ社は次バージョンのリリース時期を再三延期するだけではなく、正確な期日も明示せず、我々パートナーにとっては憂慮すべき状況でした。
こうした状況を鑑み、今回eZ社は開発方針を"flexible time and fix scope(柔軟な時間設定、決められた開発範囲)"から"fixed time and flexible scope(決められた時間設定、柔軟な開発範囲)"へとシフトすることを決めました。
それと同時に、延期されていた次バージョンの正式リリース日も発表され、弊社もこれを受け、より良いソリューションを提供するための動きを進めていきたいと思います。
eZ Publish 4.1
eZ Publish最新バージョンの4.1が3月17日にリリースされました。メジャーバージョンとしては、約1年3ヶ月振りです。今回は、キャッシュ処理の向上や、バグフィックスを始め、様々な機能が追加されました。
特筆すべき機能としては、弊社の開発者がeZ社へインターンシップした際に携わった、画像やフラッシュデータを複数同時にアップロード出来る「eZmultiupload」やパスワードの有効期限を設定可能にする「eZpasswordexpiry」などが挙げられます。
また、エンタープライズデータベースである「Oracle」のサポートやSun microsystems社のOS「Open Solaris」にも対応し、ますますWCMSとして提供できる幅が広くなったと感じています。
eZ Publishとミツエーリンクス
今後ミツエーリンクスは、eZ社の日本法人eZ Systems Japanと協力して、日本のニーズにマッチしたCMSソリューションを数多く提供していく予定です。今回のカンファレンスで他パートナーの雰囲気を肌で感じ、eZ社の今後のビジョンも踏まえつつ、我々ミツエーリンクスの出来る限りのことを実践していきます。
これからもeZ PublishとCMSの動向をキャッチし続け、このCMSBlogで紹介していきたいと思っています。